くさる家に住む
くさる家に住む。衝撃的なタイトル。2013年出版で著者はつなが~るズという女子4人。耐震、耐火、耐久、メンテフリー、省エネなどの工夫で家づくりは進化してきた。百年持つ家を売りにする住宅メーカーもある。長持ちを安価に実現する素材として今や樹脂壁も一般的だ。結果、地球環境で循環する「くさる」ことが忘れられている。著者らは「くさる」に3つの意味を込める。1つ目は「熟成」。手をかけることで味わいを深める。2つ目は「朽ちる」。土と水と空気を汚さずに建てて、最後は土に還る。3つ目は「鏈る」。式年遷宮のように人も技術も繋がるサイクル。そんな考え方を極端に解釈すれば「十年住宅」も良いかもしれない。10年で家族環境や暮らしの環境は変わる。くさる素材をモジュール化してその時々で増やしたり減らしたり。家の一部は30年もの。一方の一部は作り立て。地球と人に優しい素材を用いた適度にくさる家、是非住んでみたい。