土偶/縄文の女神
国立科学博物館・篠田謙一館長の自然人類学(分子人類学/ノーベル賞受賞研究)が明らかにした人類や日本人の起源を探る話が楽しい。2010年以降の次世代シークエンサー(核DNA解析)で、従来とは劇的に研究環境が向上し世界が注目している。現生人類(モサピエンス)でもネアンデルタールでもないデニソワ人の存在や、夫々が交配することで現在のヒトが形成されてきた歴史が明らかに。ネアンデルタールDNAが2-3%で世界一濃いのが私たち日本人。ゲノムと地勢からは海を渡ってきた痕跡も見える。過去1万年で世界最大といわれる7,300年前の鬼界カルデラ噴火(鹿児島県沖)で全国に散在していた縄文人は南北に移動。その後、渡来してきた弥生人が日本人の主流になるが、東北/北海道や沖縄や離島などの日本人は縄文DNAが濃い。県博の縄文DXも9月1日まで。国宝・「土偶/縄文の女神」をそんな目線で見てみよう!