Origin

弊社の創業者、関勇記は会津に生まれ育ち、1923年(大正12年)、15歳の時にバッジ・メダル・優勝カップなどを扱う唯一の民間企業、内外徽章製作所(東京)にしました。同年9月には関東大震災を経験し、以降、1944年(昭和19年)の東京大空襲で故郷に疎開することになるまで、23年間に亘って表彰記念品業界での経験を積みました。

関美工堂 楯 トロフィー

終戦後の1946年(昭和21年)7月に関美工堂を起業し、日本橋三越本店に箸箱100個を収めたのが初仕事でした。
その後、徽章業界に向けた新商品を地場産業の技術で生み出せないか思案し、創業翌年、デザインした木板に漆を塗り蒔絵を施す「会津塗」の技法を用いる表彰記念品を開発し、商品名を「楯」と名付けました。
その翌年に開催された第1回福島県総合体育大会では優勝楯として採用され幸先の良いスタートとなりました。しかし、当時は、表彰記念品と言えば、メダルかカップしかない時代です。豆カンナを使った木工のフォルム形成から漆塗り、手描きの蒔絵に至るまで、漆芸による手仕事で完成させる楯はとても高価で、業界に新風を起こすほどには至りませんでした。

転機となったのは、1954年に誕生した改良型の楯。漆塗りの板に手描きで絵を描くのではなく、代わりにアンチモニー(鉛85~88%、錫2%、アンチモン10~30%からなる合金)を使用した半立体のレリーフ金具を付けた商品を市場に投入したのが大きな効果に繋がりました。金属レリーフは型を作ってしまえば量産が可能で、価格が抑えられる上に蒔絵とは違った高級感があります。以降、金属レリーフ付きの楯は販売を伸ばし続けました。デザインも多様に展開され、1970年代(昭和50年代)には従業員が100人規模の会社になるまで成長を続けました。

しかし、良い時代は永遠には続きません。その頃になると、安価な素材を用いた模倣製品も市場を賑わすようになり、コモディティ化が進んでいました。また、表彰記念品の需要が質よりも見た目重視に偏重して行きました。MDFやプラスチックに木目プリント、中国製など、主催者が優勝者に手渡す表彰式でメディアアピールさえできれば良く、質より価格の安さで選ばれます。また、表彰記念品に割かれる予算よりも、副賞に割かれる予算が重視されるようにもなりました。国内トップクラスの大会ですら、優勝記念品はせいぜい数万円。副賞には高価な自動車や家庭用品が並びます。以前は仲間内のゴルフコンペやボーリング大会でもトロフィーは付き物でしたが、最近は、表彰記念品を使用しない大会も増えています。

斯様な時代背景の中でも楯の製造卸は続けていますが、このまま業界の流れに寄り添ったモノづくりを続けていても受賞者に喜びは与えられません。楯を生み出した会社として、次世代に向けた提案を続けています。2017年、弊社の創業70年を記念して、創業当時の楯シリーズのブランド商標「Japan」の冠に光を当てなおしたオリジナルの楯シリーズ「alphabeta」と「BIOgraphy」を発表しました。
どちらも天然素材としての木と漆、会津塗の伝統技法、その表現力を今の時代に求められるスタイルで表した新しい表彰のカタチです。量より質、見た目の派手さより素材感を大切にした製品です。

表彰・記念品については、こちらまでお気軽にお問合せ下さい。

alphabeta

alphabetaは、表彰記念品としてお使い頂けたら嬉しいですが、本来のコンセプトは漆芸のオブジェです。飾りたくない記念品を頂くより、飾りたいと思って頂けるオブジェ。何かを連想させるアルファベットや数字の形は天然木で製作し、一つの製品の中に多様な漆芸の技術を注ぎ込みます。

MEISSEN(マイセン)、Baccarat(バカラ)に代表されるように、陶磁器、ガラス、鉄、銅、木、など様々な素材の量産型のオブジェが市場にはありますが、「漆」のオブジェは漆芸家が審査会目的で作る一品もの以外に売られているものがありません。alphabetaは、漆芸の本質や多様な表現力を量産型のオブジェとして提案する従来にない新しい製品です。漆でありながら、ポートランドのACE HOTELのラウンジにあっても誰も違和感を覚えないでしょう。

表彰・記念品については、こちらまでお気軽にお問合せ下さい。

BIOgraphy

BIOgraphyは、今の表彰記念品市場で需要の多いクリスタル等のガラス系トロフィーに敢えて漆素材をぶつけた製品です。特に人気の高いガラス系トロフィーのフォルムをそのまま天然木と漆で作っています。光を通す透明感のあるガラスと同じカット面で表現すると、天然木はガラスにはない全く別の魅力を発揮します。角を跨ぐ木目の美がとても印象的なのです。全てを自然に還せる天然素材。SDGsに代表されるような活動で表彰されるシーンにはとても良い表彰記念品だと思います。

市場が縮小していると言え、芸術・スポーツ・学術・政治・経済、様々な場で、努力の先に生まれた結果を讃えるための表現の一つが表彰記念品です。生涯で何度の表彰経験を得られるかは人それぞれですが、その大切な節目一つ一つを飾るのに相応しい製品をこれからも提案し続けたいと思います。

表彰・記念品については、こちらまでお気軽にお問合せ下さい。

Bespoke

弊社がオリジナルで販売している楯以外にも、皆様からのご要望に応じた製品をオリジナルで製作しています。

表彰・記念品については、こちらまでお気軽にお問合せ下さい。

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